海岸清掃や調査をしていると、不思議なものを見つけることがあります。
そんな漂着物の正体がわかったのでご紹介します。

使いにくそう!短いフォーク

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不思議な漂着物の一つが、このフォークです。
どう見ても柄の部分が短くて使いにくそうです。
しかし、よ~く観察してみると、穴があいていたり、でっぱりがあったりして別のパーツとつながりそうです。

ついに発見!

先日、9月27日につるおか環境フェアのアート体験素材を海岸で集めているときに見つけました。柄の部分です!

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期待に胸を膨らませてフォーク部分と組み合わせると…

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沢山あるフォーク部分のうち、一つとぴったりとくっつきました!
そして、コンパクトに折りたたみできるようになっています。

その正体は…

次に、柄の部分に文字が書いてあるのでインターネットで検索してみます。
メーカー名と思われる「康師傳」、漢字ばかりなので中国や台湾のものだと想像できます。
康師傳(読み:カンシーフー)_Wikipedia
台湾発祥の食品メーカーでした。
さらにgoogle翻訳によると、中国語でフォークは「叉」と翻訳されるので「康師傳 叉」で画像検索。
※詳しい写真が見たかったので、大きい画像のみに絞り込み検索しています。検索結果はこちら。
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検索結果の一番上に載っています。カップ麺の中に折りたたまれた状態で入っているようです。
日本だとレジで割り箸を貰いますが、台湾では製造段階でフォークを同梱しているようです。
台湾も箸を使う文化圏ですし割り箸であれば万が一ポイ捨てされても腐って土にかえるのに…
なぜ、わざわざプラスチックのフォークを使うのでしょうか。

もっとも、割り箸を作るために伐採される森林の問題もあるので、割り箸も地球のためにベストな方法とは言えません。一説によると、日本の割り箸使用量は年間250億膳。その9割は輸入品だそうです。
プラスチックを使っていない、木製の、それも間伐材(森林保全のために伐採された木)などから作られたマイ箸を、繰り返し使うことが最もエコな選択だと考えられます。
使い捨ての製品をできるだけ使わず、物を大切にすることが重要です。

折りたたみ式スプーンも

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こちらは折り畳み式のスプーンです。
メーカーの文字もなく、どのように商品に使われているかわかりませんでした…
先日、何かのふたにセットされた状態のまま、漂着しているものがありました!
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ピタッとはまるくぼみがついた黄色のふたです。「銀鷺」という文字がおもての方に書いてあります。
検索してみると、中国の食品会社でした。さらに「八宝粥」という缶詰の写真が出てきました。

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どうやら大当たりです。
缶詰のおかゆとセットになって販売されているスプーンでした。

もしかしたら日本のごみも…

今回紹介した2つの漂着物は、どちらも海外から日本に流れてきた漂着物です。
対馬海流に乗って遠く離れた山形県の海岸まで運ばれてきたようです。

最後に、これはなんでしょう?
日本で使われている、山形の海岸に流れついた漂着物です。
※写真では隠れていますが、カタカナで会社名と商品名が書かれています。
もしかしたら、どこか遠くの国に流れ着いて「これは、なんだろう?」と、誰かを悩ませているかもしれません。
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正解は、農業で使われるシートを押さえる“ペグ”でした。
土の上の防草シートやビニールハウスにぷすっと刺して、固定し風で飛ばされないようにするものです。
ギザギザの返しがついていて、抜けにくくなっているのがわかりますね。
畑に行かない人、都市部に暮らしている人にとっては、初めてみるものだったのではないでしょうか。
普段生活している日本で使われているものでも、不思議なものがいっぱいです。